【徹底解説】11月のビットコイン分裂問題まとめ

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2017年8月1日にビットコインがハードフォークを行いビットコインキャッシュが誕生したのは記憶に新しい。

そして2017年11月にビットコインは再び分裂するという噂を耳にしたことがある人は多いのでは無いだろうか。

今回は度重なる「ビットコインの分裂問題」について詳しく解説していく。

ビットコインのブロックサイズ問題

まず、ビットコインの分裂問題を理解するためにビットコインが抱えるブロックサイズの問題について知らなければならない。

現在、ビットコインのブロックサイズは上限が1MBである。

しかし、昨今のビットコインの急速な普及に伴いトランザクションが増加。ブロックサイズが1MBのままでは以下のような問題が生じるようになってしまった。

①承認確定までの大幅な遅延

②取引は承認手数料の大きいものから順にブロックに取り込まれていくため、手数料の小さい取引が永遠にブロックに取り込まれず取引が完了されない

③取引が実際に承認されるのに必要な手数料の高騰

今後、ビットコインが加速度的に普及していった際にこれらの問題はより大きな悪影響を与えることになることが予測された。

そしてこれらの問題を解決するため、ビットコインの開発者達は「ビットコインの性能を上げる」ことを提唱したのである。

ビットコインを取り巻く二つの派閥

①SegWit派

SegWitとは、ビットコインのブロックサイズを変更せずにブロック内で扱えるトランザクションのデータを大きくするための技術の名称である。この技術をビットコインに実装することでブロックサイズの問題を解決しようとしているのがSegwit派である。

ビットコインがSegWitに対応した場合、トランザクションのデータのみをブロック内に埋め込むため、1つのブロックで収容できるトランザクションの個数を多くすることが可能となる。

*SegWit非対応の場合ではトランザクションのデータと電子署名など認証に関わるデータも一緒にブロック内に埋め込まれなければならない。

この技術は長年、ビットコインの脆弱性として指摘されてきた「トランザクション・マリアビリティ」の問題を解決できると考えられ、この問題が解決されることで今まで開発が断念されてきた「Lightning Network」の開発が可能となると言われている。

Lightning Networkは小口のトランザクションはビットコインのメインブロックチェーンの外で扱えるようになる技術である。これにより少額の取引の際に現在の高い手数料が必要なくなる

セグウィット派の中心となる人物は?

セグウィット派の中心人物はビットコインのコアディベロッパー(開発者)である。

後述するように、ビットコインのブロックサイズを大きくしてしまった場合はデータが重くなり、マイニングに参入できるマイナーが少なくなる。

しかし、SegWitではブロックのデータの大きさ自体は変化しないためそのような問題は起こらない。

このような理由から、SegWitはコアデベロッパーからの支持を集めている。

②ビックブロック派

ビットコインのブロックサイズ問題の解決のためにビットコインのトランザクションを記録するブロックサイズの上限を大きくしよう(ブロックサイズの上限を2MBに引き上げ)と主張している派閥がビッグブロック派である。

一見すると良さげな案でもあるが、もしもブロックサイズを引き上げた場合に後戻りができなくなるというデメリットがありハードフォークでしか実行することができない。

2017年8月1日にハードフォークにより誕生したビットコインキャッシュがまさにそうである(ビットコインキャッシュのブロックサイズは8MB)

また前述したようにブロックサイズを大きくするほどデータが重くなり、マイナーの負担が増えるために参入障壁を引き上げてしまうというデメリットもある。

ビッグブロック派の中心となる人物

ビックブロック派の中心人物は中国系のマイナーたちである。

現在、ビットコインの管理(マイニング)は「ASIC BOOST」という技術を用いる中国の一部のマイニング企業が独占している状態である。

しかしながら、もしもビットコインにコア派が推奨するSegWitが実装された場合、この装置が使用できなくなってしまうのだ。

またSegwitが実装された場合は「Lightning Network」が開設されるが、それに伴い小口のトランザクションからの手数料収入が得られなくなることも関係しているだろう。

自分達の収入のために、いくらSegwitの方が性能的にもビットコインの将来的にも良いとわかっていようとも、マイナー達は断固反対しているのである。

2017年8月の分裂問題

ニューヨーク協定

SegWitを受け入れようとしないマイナーたちに業を煮やしたコアデベロッパーたちは、マイナーたちがSegWitを適用せざるを得ない状況にすることに決めてBIP148を採択した。

これがUASF(User Activated Soft-Fork)と呼ばれるもので、ビットコインのユーザーの利益のためにソフトフォークであるSegWitを導入しようとしたのである。

*具体的には、クライアントにSegWitを採用していないブロックについては承認しないよう仕様を変更した。

このような危機の対策として、2017年5月に折衷案「ニューヨーク協定(NYA)」が提案され、この中でBIP91について参加者のコンセンサスが得られた。

【BIP91の内容】

SegWit2xの導入

②BIP9の改訂

そこで提案されたSegWit2xとは、2017年8月にSegWitをまず導入し、11月にブロックサイズの上限を2MBに引き上げるというものである。

BIP9の改訂は「ソフトフォークに関する意思確認の際マイナーの95%の合意が必要」という内容から「95%→80%に引き下げる」というもの。

このニューヨーク協定により、8月1日の分裂危機が去ったように思われた。しかしこのNYAにコアデベロッパーたちが参加していなかったのである。そして、コアデベロッパーたちはこのSegWit2xに猛反対することになった。

というのも、SegWitでは使用できなくなるはずのASIC BOOSTがSegWit2xでは使用できるということが判明したからである。

実際中国系のマイニングプールは、こぞってSegWit2xに賛成。そのうえでSegWit2xでASIC BOOSTが使用できるのかという問に対してははっきりと答えないのだ。

そうして、コアデベロッパーと中国系マイナーとの間に深い溝が生じたまま、2017年7月21日にBIP91のロックインが確定することになったのである。

ビットコインキャッシュの誕生

こうしたなか、2017年8月1日にビットコインキャッシュがビットコインからのハードフォークで誕生した。

この分裂は、SegWitせずに「ブロックサイズの拡大を行うハードフォーク」で分裂したため、UAHF(User Activated Hard-Fork)と呼ばれる。

ビットコインキャッシュは、ブロックサイズを最大8MBまで拡大することを検討しており、ハードフォークした時点で全ビットコインの保有者に同額のビットコインキャッシュを付与された。

これはSegWit2xに関する合意に悪影響が出るものではない。

2017年11月の分裂問題

Segwitのアクティベートとbtc1の採用

コアデベロッパーとの間で確執を残したまま、8月24日にはSegWitがアクティベートされた。

Segwitはアクティベートされたが、11月のハードフォークに向けてマイナー主導で準備が進められている。その準備の一つとして、マイナーによるbtc1の採用がある。

*btc1とは、SegWit2x推進派が作成したクライアントのこと(パソコンなどの端末上でウォレットを作動させるためのソフトウェアのシステム)

クライアントによってダウンロードするブロックチェーンの量など細かい機能に差がある。

例えば、btc1はBitcoin Core同様フルノードを対象としたクライアントであり、すべてのブロックチェーンのデータを保持しているため第三者のネットワークに依存しない。

btc1をクライアントとして使うユーザーの数が大多数となることで、コアデベロッパーの発言力を低下させることがSegWit2xの支持者の目的である。

これに対し、コアデベロッパーたちはSegWit2xに対して以下の批判を行った

①反対意見が数多くあるのにビットコインのルールを強引に変更しようとしている

②SegWitを適用することとブロックサイズの拡大との間に関連が見出せない

③ハードフォークが行われる際のリプレイ攻撃(ハードフォークが行われる際、片方のブロックチェーンでトランザクションが行われるとその電子署名など認証に関わるデータを用いてもう一方のブロックチェーン上で本人の意志に反したトランザクションがハッカーにより行われること)を防ぐ対策がなされていない

さらにコアデベロッパーたちは、SegWit2xのクライアントのbtc1との接続を打ち切り、ノードの明確化を図るようにBitcoin Coreのクライアントの仕様を変更した。

*現在Bitcoin Coreのノードは6100個程度あるのに対して、SegWit2xのノードは180個程度である(2017年9月現在)

11月に起きうる可能性について

現時点、マイナーたちがコアデベロッパーから権力を奪う目的で採用したbtc1は、多くのユーザーに採用されてはおらず、このままではコアデベロッパー主流の流れは覆せそうにない。

このままSegWit2xに反対するコアデベロッパーが優勢のまま11月を迎えると以下のようなケースが考えられる。

①btc1側がブロックサイズの増加を諦める

②btc1側がブロックサイズの増加を強行

①の場合、新たに算出されるブロックがSegWit対応かつサイズ上限1MBのブロックばかりマイニングされ、ユーザーはSegWit導入後と同様にビットコインを使用できる。

しかし、②の場合はハードフォークが生じるためbtc1が新たなアルトコインとしてさらに分裂する可能性がある。

まとめ

ニューヨーク協定によって一度は解決をしたように見えたビットコインの分裂問題も、こうしてみると全く解決できていないことが分かったかと思う。

11月にSegwit2x導入によるハードフォークが起こるのかは現時点では分かっていない。

しかし、Segwit2xの開発者が現状ただ一人である点や、ハードフォークをした場合のデメリットを考慮すればSegwit2x支持者達が得をする可能性は低いと言えるだろう。

そのため、ビットコインキャッシュにマイナー達が流れる可能性を考慮することや、10月25日に誕生する可能性のあるビットコインゴールドの動向にも着目しなければならないだろう。

9月に入り、jihanがsegwit2xの支持を表明する一方で、やたらビットコインキャッシュ指示をアピールしていることや、ロジャーがビットコインを売り、ビットコインキャッシュに乗り換えるというような発言をしていることにも何かしらの思惑が隠されているかもしれない。

ビットコインをホールドするか、はたまた思惑を読んでビットコインキャッシュを買っておくのか・・・これから始まる分裂騒動に目が離せない投資家は、私だけでは無いはずである。

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